ANNE OF GREENGABLES
赤毛のアン
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| 書 名 | スクリーンプレイ 「赤毛のアン」 |
製 作 | Sullivan Films | |||
| 編 集 | 池下 裕次、Kim A. Lutz | 会 社 | Kevin Sullivan | |||
| 仕 様 | A5版、132ページ | 監 督 | Kevin Sullivan Joe Wiesenfeld |
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| 発行日 | 1996年9月 | 脚 本 | Lucy Maud Montgomery | |||
| 出版社 | 株式会社スクリーンプレイ | 出 演 |
Megan Follows | |||
| 定 価 | 本体1,200円（税別） | Colleen Dewhurst | ||||
| ISBN | 4-89407-143-6 | Richard Farnsworth | ||||
| この映画のストーリー |
| 果てしなくどこまでも広がる若々しい緑の草に覆われた牧草地、これ見よがしに辺り一面に咲き誇り、微風に花弁を揺らして甘い香りをまき散らす林檎とすももの雪のように白い花、木立の間から見え隠れする春の穏やかな日差しを浴びて変化自在にその色彩を変えながら岸辺に波うつ小沼の水面。そんな一年で最も美しい季節に、プリンス・エドワード島の小さな村アヴォンリーへ一人の小さな女の子が孤児院から送られてきた。粗末な衣服を身にまとい、小さなすり切れたカンバス地の手提げ鞄をたった一つ手に持ったその少女の名はアン・シャーリー。駅まで迎えにやって来た老人マシューの馬車に乗るなり、さっそく得意のおしゃべりを開始する。 彼女が目にする神々しいほどの美しさで光り輝く辺りの自然や夢についての饒舌に黙って耳を傾けるマシューは、いささか面食らいつつも、次第に彼女の不思議な魅力に引きつけられてしまうのだ。欲しいのは男の子で、女の子なんて必要ないと言い張るマシューの妹マリラでさえ、置いて欲しいと嘆願するアンのひたむきな姿に心揺り動かされ、彼女を試験的に置くことにする。だがアンは、生まれながらの誇り高さと激しい気性が災いしてか、その間にも次々と事件を引き起こす。隣の家のレイチェル夫人に赤毛と言われて激しい剣幕で怒鳴ったり、学校に行けばギルバートにニンジンとからかわれたからといって、石盤で彼の頭を殴りつける。もちろん、正式に引き取るとマリラから告げられた後も、彼女の騒動は一向に衰える気配を見せない。心の友となった級友のダイアナをお茶に招待したときも、キイチゴ水と間違えてワインを飲ませ彼女を泥酔させたりもする。あるいはダイアナのジョセフィンおばさんの寝ているベッドの上に飛び乗って、彼女を烈火のごとく怒らせたこともあった。 そんなおてんばで、少々おっちょこちょいの少女ではあったが、生まれて初めて肌で感じるマシューとマリラの温かい誠の愛にうち震え、また自らも愛情を与える喜びを知り、彼らにとってかけがえのない存在になっていくのだ。 クィーン学院を抜群の成績で卒業し帰省してきたアンの目の前で倒れたマシューが息絶え絶えに囁いた「わしは男の子を欲しいと思ったことは一度もない。最初からお前だけだよ、欲しかったのは…わしは自分の娘を愛している。本当に自慢の娘だ」という最後の言葉は、彼が無口で口下手で思っていることを素直に言い表すことのできない人物であっただけに、なおのことより重厚な響きを持った心の奥底から迸り出る魂の叫びであった。悲しみにうちひしがれて、とどめなく流れる涙で頬を濡らすアンを抱きしめ、慰めるマリラが何処かで語っているように、人生の夢や喜びに心を閉ざして侘しい人生を送る彼らのもとに現れたアンという少女の存在は、決して幸運な間違いではなく、まさに神の思し召しそのものだったのかも知れない… 原作はカナダ児童文学を代表する女流作家 Lucy Maud Montgomery (1874-1942) の Anne of Green
Gables (1908)、制作ならびに監督はカナダの映画界で活躍する Kevin Sullivan である。 『赤毛のアン』は画面一杯に広がる宝石をちりばめたような美しい映像と心温かな人々が織りなす愛と感動の物語のゆえに、1986年ヒューストン国際映画祭でグランプリを獲得したほか、サンフランシスコ映画祭、シカゴ国際映画祭などで数々の賞に輝いた。 |
| 曽根田 憲三（相模女子大学教授） |
| この映画の英語について |
| 皆さんのまわりには、Anne のように、いつもひとこと多いので損をしている人がいるのではないだろうか。あるいは、失礼ながら、Anne
のような経験を持っている人が結構多いのではないだろうか。余計なひとことは、たしかに失敗や他人の迷惑に直結しがちであるが、一方で相手の心に直接訴えかけることが可能であり、本音をぶつけることによって、お互いがよりよい理解をするきっかけとすることもできる。Anne
と同じくらい頻繁に騒動を起こしていたら疲れるかもしれないが、会話の潤滑油としての「よけいなひとこと」に注目してみるのも悪くはない。 冒頭近くで自分の両親の名前を尋ねられた Anne は、ひとことで済むはずの答えの後で、Aren't they lovely names? に始まる 24 語を費やす。特に「もし Hezekiah だったら…」というせりふは、上手に自己紹介に応用し、さらに空想の羽を広げていったら、名前の紹介だけでスピーチが終わるくらい、つまり相手の心をつかむのに十分なだけの内容を持っている。Anne, spelled with an "e" などと、文字にこだわるとすれば、漢字を使っている我々の方がむしろ有利で、さまざまな連想を働かせ、英会話に応用することが可能になるのではないだろうか。同じく冒頭近く、馬車の上での Matthew との会話で、「このあたりは The Avenue と言うんだ。pretty だろ」と教わった Anne は、我々だと Yes, it is. くらいしか頭に浮かばない状況で、実に50語以上を費やす。ここでは "Pretty" doesn't seem the right word to use. と、相手の使った単語を受けて一度否定した上で更に話を続ける。beautiful, wonderful, lovely など、よく似た単語を使いながら、自問自答しているわけだが、このパターンは、相手がいない時の会話の練習や、日記やメモなどをつけて表現力を養う際に応用できる。 Anne の空想癖が、会話にどのように現われているかをみてみよう。親友の Diana が勉学を続けてゆけなくなりそうな場面で、相手を心配する Anne は I feel as though youﾕve tasted the bitterness of death. と言う。自分の言ったことをあやまる場面では、What I said about you was true, too, only I shouldn't have said it. と言ったり（前半は率直すぎて少し失礼でもある）、if you had any imagination, you could put yourself in our place...などと、自分たちの気持ちもわかってくれ、と訴えかける。これらの仮定法または仮定法的な表現は、日本語でもきわめて頻繁に使われているが、いざ英語で使おうとすると、我々は事実をそのまま表現する言い回しばかりにとらわれ、なかなか Anne の真似はできない。if, as though, like, should have などは、ぜひとも実際の会話で応用してみたいものである。読書好きの Anne には文語的表現が多いが、これを真似して文学作品の気に入った部分を書き抜いて覚えておけば、教養のにじみ出た（？）会話ができる。一度くらいは Am I talking too much? などと言ってみたいと思いませんか？ |
| 神奈川県立外語短期大学専任講師 吉田 雅之 |
[ Listening Ability Evaluation
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スクリーンプレイ編集部の「リスニング難易度」評価一覧表）
| 評価項目 | 易しい → 難しい | ||||
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| ・会話スピード |
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| ・発音の明瞭さ |
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| ・アメリカ訛 |
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| ・外国訛 |
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| ・語彙 |
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| ・専門用語 |
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| ・ジョーク |
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| ・スラング |
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| ・文法 |
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| 合 計 | 23点 |
( 14以下 = Beginner, 15-18 = Intermediate, 19-22 = Advanced, 23以上 = Professional )