BABY BOOM
赤ちゃんはトップレディがお好き
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| 書 名 | スクリーンプレイ 「赤ちゃんはトップレディがお好き」 |
製 作 | 1987年 | |||
| 編 集 | 山田 均 | 会 社 | United Artists | |||
| 仕 様 | A5版、112ページ | 監 督 | Charles Shyer | |||
| 発行日 | 1993年12月 | 脚 本 | Nancy Meyers Charles Shyer |
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| 出版社 | 株式会社スクリーンプレイ | 出 演 |
Diane Keaton | |||
| 定 価 | 本体1,200円（税別） | Harold Ramis | ||||
| ISBN | 4-89407-096-0 | Sam Wanamaker | ||||
| この映画のストーリー |
| J.C.ワイアットはニューヨークの経営コンサルタント会社で仕事に生きるバリバリのキャリアウーマン。仕事の能力を認められ重役の椅子も目前であった。ところがある夜、英国に住むイトコが事故で急死したため
J.C.に遺産が残されたという国際電話が入る。翌日、空港まで受取りに行ったその遺産とは、なんと生後13ヶ月の女の赤ちゃんエリザベスだった。遺言により、残された唯一の親類である彼女に世話を任されたと言うのだ。赤ちゃんの世話などとんでもないと、養子斡旋業から紹介してもらった里親にエリザベスを手渡す段取りまではついたが、別れ際に泣き声を聞いて後ろ髪を引かれた彼女は、赤ちゃんを育てる決心をした。だが育児とハードな仕事の両立は甘くはない。重役の椅子をかけた大事な顧客フードチェーンの担当も外され、J.C.は退職するはめに。 エリザベスとの新たな暮らしを選択した彼女は、思い切ってバーモントの田舎に家を買った。豊かな自然に囲まれ、果樹園で採れたリンゴから離乳用のアップルソース作りに励む毎日だ。ところがこれが思いがけないオンボロ屋敷で、もとのニューヨークの生活が無性に恋しくなるものの、自家製のアップルソースが観光客の目に止まったのにヒントを得て始めた「カントリー・ベビー」商標のベビーフード製造が大当たり。獣医のジェフという新しい恋人もでき、J.C.に順風が吹いてきた。 そこにフードチェーンから「カントリー・ベビー」買い取りの話が破格の条件で持ちかけられる。躍り上がらんばかりの嬉しさを抑えて彼女は冷静に自分に問いかけた・・・私にとって本当にかけがえのないものとは何なんだろうと。 コメディを通して、女性にとっての仕事と家庭の両立というテーマを考えさせる映画である。性別など関係なく実力次第でスピード出世していくアメリカで、アイビーリーグ卒の MBA でやり手とくれば、子供を作らない女性も増えている。女性にとって育児、家庭は重大な生き甲斐だと分かっていながらも、あえて母親になることを人生設計に入れず、実力競争の仕事に、より大きな生き甲斐を見いだそうという志向だ。この映画の中でフリッツが J.C.に語る、「何もかも手にする事は出来ない。何かを犠牲にしなくちゃならないんだよ」という言葉が至言である。有能な弁護士であり、現在はホワイトハウスの中で大統領の右腕として重責をこなしているヒラリー夫人とクリントン大統領の「仕事と家庭」に想像が及んだ。過去も今も、それはまさに得る物と失う物との葛藤の連続なのではと思うのは考えすぎであろうか。 この映画でとにかく舌を巻くのは、ケイディの頭の良さである。聖書、文学、法律に精通し、彼の行動は全て計算ずくで、弁護士サムは何から何まで歯が立たない。これだけのことが出来るなら復讐などを考えずに、このエネルギーを正の方向に向ければ、何事も成せるのではないかと思わせるが、逆に言えば、こんな男に狙われることほど恐いものはないという事だ。ご承知の通り「恐怖の岬」（1961）のリメイクである。前作では、リー・ヘラー役のグレゴリー・ペックがサム、エルガート役のロバート・ミッチャムがケイディを演じていた。 |
| この映画の英語について |
| J.C. の会話は、生き馬の目を抜くニューヨークで活躍するキャリアウーマンそのものである。上司や部下や取引先を自分のペースにとりこみ、相手に口を挟ませない機関銃のように繰り出す言葉は、早口であり、センテンスの切れ目も入れないせっかちな話し方。oh
/ uh / uh-huh / well / I mean などを頻繁に挿入し、時に口ごもったり、吃ったり、コメディ特有の話し方でもある。語彙も豊富でジョークや皮肉も散りばめられており、総じて聞き取り難易度は高いと言える。経営用語やビジネスの最前線で使われる日常的な用語も頻繁に登場する。P&L（損益）
/ merger（買収、合併）/ CEO（代表取締役） / ASAP（大至急） / shark repellent（乗っ取り対策） / perks（臨時収入）
/ golden parachute（退職金優遇措置） / in the bag（成功して） / bottomline（要点、結果） / account（顧客）
/ countermand（反対命令する） / motivated（やる気のある） / margin（収益） / deadline（期限）
/ due（決済日） / move up（昇進させる）などは覚えておきたい。またエリート層の教養をにじませる話し方として、Bon appetit.
/ gesundheit / linguini のようにフランス語、ドイツ語、イタリア語などがときどき出てくるのも面白い。 彼女がバーモントに引っ越してからは、のんびりした田舎の素朴な人々の人間味溢れる会話が聞かれ、ニューヨークのビジネス関係の人々の会話との対比が面白い。獣医のジェフや町長たちのように、ゆったりした話し方でそれぞれの会話に温かみが表れている。配管屋バーンの yup / nope を連発するとぼけた味わいもその一つである。 女性として家庭を持つことと、会社で重責を果たすことの困難さを語る、上司のフリッツの言葉、"I told you, you can't have it all. Nobody can.（中略）Well, something has got to give!"（全てを手に入れることは出来ないと言っただろう。何かが犠牲になるんだよ）は、仕事のためには家庭が犠牲になるのもやむを得ないというものであった。田舎に引っ込んだ J.C.に、ベビーフードで再びビジネスにカムバックするチャンスが到来する。絶好の申し出を断る彼女をいぶかるフリッツに、幸せの意味を語る。"Fritz, do you remember that night when you told me about the things that I was gonna have to give up and the sacrifices that I was gonna have to make? Well, I don't want to make those sacrifices. And the bottomline is, nobody should have to."（フリッツ、何かを犠牲にしなければならないという、あの夜のあなたの話、覚えてる？ 私はそういう犠牲は払いたくないの。本当は誰もこんな犠牲を払うことはないのよ） |
| 評価項目 | 易しい → 難しい | ||||
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| ・会話スピード |
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| ・発音の明瞭さ |
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| ・アメリカ訛 |
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| ・外国訛 |
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| ・語彙 |
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| ・専門用語 |
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| ・ジョーク |
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| ・スラング |
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| ・文法 |
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| 合 計 | 15点 |