デイズ・オブ・サンダー
DAYS OF THUNDER



翻訳・解説 新田晴彦
編集 池下裕次/KIM A. LUTZ
A5版 106頁 ISBN-4-89407-107-X
本体価格=1,200円(税別)
1995年(平成7年)3月7日 初版発行


荒削りだが、天性のきらめきを持つレーサー、コール。彼を中心に、レースに賭ける男たちの友情と恋愛を描く。ニコール・キッドマンとトム・クルーズの初共演映画。映画はやさしい。

書 籍 紹 介
 
映 画 紹 介
書 名 スクリーンプレイ
「DAYS OF THUNDER
 デイズ・オブ・サンダー」
製 作 1990年
監 修 新田 晴彦 会 社 PARAMOUNT PICTURES
仕 様 A5版、106ページ 監 督 TONNY SCOTT
発行日

1995年3月7日

脚 本 ROBERT TOWNE
出版社 株式会社 スクリーンプレイ 出 演
TOM CRUISE
定 価 本体1,200円(税別) ROBERT DUVALL
ISBN 4-89407-107-X MICOLE KIDMAN

 

■この映画のストーリー

 モーターレースと言えば世界選手権のタイトルを賭けて争うF1が真っ先に思い浮かぶ。本映画が扱うデイトナ500マイルを知っている人はあまり多くないだろう。しかしこの泥臭いモーターレースはアメリカでは非常に人気が高い。各種のカテゴリーの中に NASCAR のストックカーと呼ばれるものがあり、ストックカーレースはアメリカ東南部に集中している。そしてその中の最高峰がフロリダ州のデイトナ・インターナショナル・スピードウェイで開催されるデイトナ500マイルである。一周2.5マイルのコースを200周して争われる。
 コール・トリックルはカルフォルニア州の草レースで優秀な成績をおさめていたが、父が詐偽を働いたことからレースに出場できなくなった。そんな彼をストックカーのチームオーナー、ティムがドライバーとして白羽の矢をたてた。コールは新天地を求めてアメリカ南部にやってくる。
 ドライバーとしての力量をみるためティムとメカニックのハリーはコールにストックカーでコースを走らせた。生まれて初めて乗るストックカーだったがコールはいきなり優勝タイムに匹敵するタイムを記録して周囲を驚かせた。ところが本番は勝手が違った。車ごと体当たりするレース展開に度肝を抜かれ、出場するレースすべてが惨敗に終わる。
 「車のイロハも知らん奴とは話しもできん」
 「そんなに言うなら自分で走れ」
 コールとハリーの感情がもつれ始めた。ドライバーとメカニックが対立したのではレースはままならない。オーナのティムはハリーを説得してコールと協調させる。その甲斐あって、コールは次々と優勝をもたらすようになった。すべてが順調に進むかに思えた。
 コールはレース中にライバルのラウディと激突した。ラウディは再起不能。コールはかろうじてレースに復帰できたものの、以後、恐怖心に襲われるようになった。そんなコールにラウディが自分に代わってデイトナに出場して欲しいと依頼する。メカニックはハリー。しかしハリーはドライバーを事故死させたという苦い記憶をもつ。再起不能のラウディの頼み、恐怖心、ハリーの過去の記憶…様々な思いが交錯する中でストックカーの最高峰、デイトナ500にコールは出場を決意する。

■この映画の英語について

WADDELL : Where'd you say your driver's from? (君のドライバーはどこの出身だ?)
DALAND : California. (カルフォルニアです。)
HARRY : He's a Yankee? (じゃヤンキーか?)
DALAND : Well, not exactly. (別にそういうわけじゃない。)
 いかにも南部という香りがする会話である。それもそのはず、ストックカーの舞台はアメリカ東南部に集中し地理的背景が色濃く会話に表れる。当然、登場人物の多くが南部のアクセントをもち、日本人には非文法的と思われる表現が時折混じる。ただしそれはそれで定着した表現なので、そのまま受け入れるだけの心の余裕が欲しい。この中で、カルフォルニア出身という設定のコールと脳外科医でコールの恋人でもあるクレアが標準的な米語を話す。
 会話速度は普通だが、馴染みの薄いレース用語が混じったり、レース中の緊迫した状況で交わされる会話には手こずるかもしれない。
 登場人物には鼻息の荒い自信家が多く彼らの間で交わされる会話は男性的で挑戦的。damn, hell, bitch, goddman, son-of-a-bitch, ass...etc. が多用されおそらく百箇所以上は出てくるだろう。反面教師としたい。
 しかし、ユーモアのあるやりとりは見習いたい。
ROWDY : The Doc here says I need minor brain surgery. (俺は脳を少し手術する必要があるってよ。)
COLE : Any surgery on his brain is bound to be minor. (脳が少ないから手術も少なくて済む。)
 相手を選んで言うべきジョークだが、同じ単語を逆手に取って直ちに'ーモアとして反撃できるその呼吸はぜひ学びたい。
池田 拓朗 (青山学院大学教授)

■目次

1. 新人ドライバー Cole Trickle ……………… 7
2. ご挨拶 Rubbin' ……………… 17
3. 初勝利 Victory ……………… 27
4. 黒旗 A Black Flag ……………… 36
5. ルウィッキー医師 Dr.Lewicki ……………… 43
6. レンタカーでの戦い Rental Rebels ……………… 54
7. 旅行 A Country Visit ……………… 62
8. 拒絶症 Denial ……………… 72
9. 信頼 Trust ……………… 85
10. デイトナ・チャンピオン A Daytona Champion ……………… 96

■コラム

Lee and Richard Petty ……………… 26
ストックカー・レースのメッカ ……………… 71
レースで使われる信号 ……………… 84
レース特有の面白い表現 ……………… 95

■リスニング難易度

評価項目 易しい → 難しい
・会話スピード
1 2 3 4 5
・発音の明瞭さ
1 2 3 4 5
・アメリカ訛
1 2 3 4 5
・外国訛
1 2 3 4 5
・語彙
1 2 3 4 5
・専門用語
1 2 3 4 5
・ジョーク
1 2 3 4 5
・スラング
1 2 3 4 5
・文法
1 2 3 4 5
合 計 15点

( 16以下 = Beginner, 17-24 = Intermediate, 25-34 = Advanced, 35以上 = Professional )