■この映画のストーリー
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1年前のクリスマス・・・L.A.のナカトミ・ビルで、6億ドルの強奪を狙うテロリストをせん滅し、奇跡的に人質を救出させたジョン・マクレーン。今度のクリスマス休暇は妻ホリーをワシントン、ダレス空港に出迎えに行くことになった。TVニュースでは、その日、南米の麻薬王エスペランザ将軍が裁判のためダレス空港に送還されると報じていた。空港ロビーですれ違った男は反共産主義で知られるスチュアート元大佐だ。他にも胸にグロック銃を忍ばせた、キナ臭い男達がコーヒーショップにいるのが目に入った。不穏な臭いを感じて荷物室を覗いたジョンは、そこにいた二人組からいきなり発砲を受け、銃撃戦の末、一人を始末した。死んだ男の身元確認をめぐり、ジョンは空港警備隊のロレンゾ隊長にすぐ捜査に入るよう助言するが、ロレンゾは自分の管轄に口を挟むなといきり立つ。
男は2年前に事故死したはずの南米に関与していた軍人とわかり、ジョンは管制部長のトルドーにこの事態を知らせに行った。その時、滑走路の照明灯が突然消える。スチュアート率いるテロリスト一味が通信機能と照明灯を支配し、ホリーの飛行機も含む上空の旅客機を人質に、エスペランザ将軍奪還のための747型特別機を用意しろと要求してきた。管制塔をつまみ出されたジョンは、地下室や排気口の中を這い回り、一味の計画の妨害にかかる。ところが別館通路で部下をジョンに倒された報復として、スチュアートは旋回中の英国航空機をニセ管制誘導の罠で滑走路に激突させ、罪もない乗客を大虐殺するという暴挙に出た。
そこにエスペランザの送還機が着陸して来る。ジョンと陸軍特殊部隊の追撃も及ばず、一味の乗り込んだ逃亡用の747機は滑走路を走り出した。ホリーの乗る旅客機からは燃料が切れたと、無線を通し機長の必死の声が・・・運命を一身に背負ったジョンは最後の望みをかけ、ヘリコプターから747機の翼に飛び降りた・・・
綿密なシナリオと小気味のいいテンポでテロ事件のサスペンスに引き込まれる魅力は、前作に引けをとらない素晴らしさである。“エアポート・シリーズ”に代表される飛行機パニック映画は他にもあるが、上空の飛行機を地上から支配して、人質に取るという奇抜な着想がユニークだ。相手はプロの軍人であるのみならず、航空管制をハイジャックし、空港の電気設備も容易に改造してしまう専門の技術者集団だ。一方のジョンはと言えば、先進技術については「冷凍ピザ」以上にレベルは特に持ち合わせない普通の人・・・「ハートは技術に勝る」が信条の硬骨漢である。目的のためには手段を選ばなぬマキャベリアンのスチュアート大佐の手にかかり、大量テロ殺戮された罪もない乗客の悲劇に心底から涙を流す。しかしその涙はすぐに怒りにの炎に変わる。愛するホリーと多くの人命を救うため、ジョンの最後の怒りの炎は愛用のジッポのライターで点火され、敵の逃亡機を火だるまにするのである。
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■この映画の英語について
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今度の舞台は空港である。航空管制・無線通信の用語と、その専門的な表現が多用される。 FAA(Federal
Aviation Administration 連邦航空局)、ILS(Instrument Landing System 計器着陸システム)、NAV(Navigation
Satelite 衛星航空制御)などの略語、また "I'm on approach." (進入します)"Windsor 114,
you're cleared for ILS approach runway two-niner. You are in the
glide path and you're looking good." (ウィンザー114便、第29滑走路にISL進入して下さい。滑空姿勢は良好です)といった、管制官とパイロットとの交信に出てくる。
テロリスト達は陸軍特殊部隊出身そのもののプロの軍人の会話だ。"All clear." (敵影なし)、"Dismissed." (解散)、"Affirmative."(Yes)、"Attention."(気をつけ)などの、上官と部下との会話、あるいは、"Roger."(了解)、"Do
you copy?"(聞こえるか)、"We read you."(聞こえます)、"Eagle Nest / Falcon"(暗号名)、などの無線交信用語などに見られる。
ジョンは相手の言葉を混ぜ返したり、自嘲したりの軽妙なジョークを連発する。 "Word is, that was your handiwork."
(死体はあなたの作品と聞いたわ)・・・ "No. I only do needlepoint ." (いや、俺は針編みレースしかやらないんだ)
あるいは、 "She's already mad at me 'cause I'm not a dentist." (義母は俺が歯医者じゃないから怒ってるんだ)というセンスである。
また前作に絡めた軽口も出る。ジョンの駐車違反切符を切る警官が、L.A.市警は嫌いだと言うと、"I don't like it much
myself." (俺もあまり好きじゃないんだ)と答える。エレベーターの天井から脱出する時は、"It's okay. I've
done this before." (大丈夫、以前やったことあるんだ)と笑わせる。ジョンの威勢のいい、卑語・俗語も前作と変わらず有効なタイミングで使われている。
ソーンバーグ、コールマンらのジャーナリストが現場レポートを送る時の、メディアのプロ特有の豊富な語彙を使った、聞く側に強い印象を与えようと意識した英語表現も興味深い。また、銃撃戦などの危険な状況における、Freeze!
/ Stay down! / Get down! / Look out! といった決まり文句も出る。エスペランザはスペイン語で(英語の
son-of-a-bitch / shit などに相当する)罵りの言葉を吐くのも面白い。 エスペランザ将軍と彼を護送する乗務員達がスペイン語とその訛りのある英語を話す他は、ほとんどのキャストは標準米語であり、ヒアリングには恰好だ。単なるアクション映画の域を越えた、様々な分野のプロの会話表現が幅広く学べる映画である。
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■目次
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1. |
ダレス空港 |
Dulles Airport |
……………… |
7 |
2. |
動くな! |
Freeze! |
……………… |
19 |
3. |
エスペランザの送還 |
Esperanza's Extradition |
……………… |
28 |
4. |
非常事態 |
Code Red |
……………… |
36 |
5. |
別館通路 |
The Annex Skywalk |
……………… |
45 |
6. |
ウィンザー114便 |
Windsor 114 |
……………… |
54 |
7. |
グラント少佐 |
Major Grant |
……………… |
63 |
8. |
ファルコン着陸 |
A Falcon Must Land |
……………… |
71 |
9. |
教会での戦闘 |
The Church Battle |
……………… |
81 |
10. |
逃亡機747 |
747 Escape |
……………… |
95 |
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■リスニング難易度
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評価項目
| 易しい → 難しい
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・会話スピード
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・発音の明瞭さ
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・アメリカ訛
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・外国訛
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・語彙
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・専門用語
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・ジョーク
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・スラング
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・文法
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合 計 |
18点 |
( 16以下 = Beginner, 17-24 = Intermediate, 25-34 =
Advanced, 35以上 = Professional )
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