DIE HARD
ダイ・ハード
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| 書 名 | スクリーンプレイ 「ダイ・ハード」 |
製 作 | 1988年 | |||
| 編 集 | 山田 均 | 会 社 | Twentieth Century Fox | |||
| 仕 様 | A5版、120ページ | 監 督 | John Mctiernan | |||
| 発行日 | 1993年6月 | 脚 本 | Jeb Stuart,Steven E. de Souza | |||
| 出版社 | 株式会社スクリーンプレイ | 出 演 |
Bruce Willis | |||
| 定 価 | 本体1,200円（税別） | Alan Rickman | ||||
| ISBN | 4-89407-075-8 | Alexander Godunov | ||||
| この映画のストーリー |
| ジョン・マクレーンはN.Y.市警の刑事。単身赴任の彼はクリスマス休暇を家族と過ごすため、L.A.にやって来た。妻のホリーは日本商社ナカトミの女性重役であり、仕事と家庭の両立の難しさから最近夫婦仲はしっくり行っていない。ジョンは空港に降り立ったその足で、ナカトミの年末慰労パーティ会場に出向く。しかしホリーが名前を旧姓で会社に登録していた事を知り、つむじを曲げまた口論になってしまった。 そこに突然13人のテロリストが侵入しナカトミの30人は人質となり、ビルはまるごと占拠されてしまう。一味の目的は金庫室にある6億ドルの債券であり、統率のとれた計画的行動で迅速にことを進める。計画遂行のためには容赦なく人を殺す連中だ。人質を免れたジョンの通報も、ビルは外からはまるで平穏なために受信先になかなか信用されない。最初にやって来たL.A.市警のパウエル巡査長にやっとの思いで、事件とジョンの動きを知らせることが出来た。しかし出動した特別機動隊は、一味の持つプロの銃器、爆薬などによる迎撃でひとたまりもなくやられてしまう。 無線で一味に宣戦布告したジョンは一人、また二人と敵を葬っていき、奪った機関銃や爆弾で猛チャージを開始した。外では警察に代わってFBIが指揮に出るが打つ手はマニュアル通りでとてもプロ集団をしとめられそうにない。孤立無援のジョンの苦境を理解してくれるのはパウエルだけだった。人質もろとも屋上を爆破して逃走しようという恐ろしい企てを知ったジョンは、敵の攻撃で血まみれになりながらも奇跡の大逆転に望みをかけ、これを阻止すべく最後の戦いに気力を振り絞る。 ストーリーの骨組み、詳細の状況設定とともに綿密に練り上げられた素晴らしいシナリオである。小気味よいテンポでテロ事件のサスペンスに引き込まれてしまう。世界を股にかけて活躍する日本商社が建設したコンピューター管理のハイテクビル、一味のミサイル弾・プラスチック爆弾や暗号コード解読のための手際の鮮やかさといった、いわば恰好よく洗練された舞台設定とは少し違うジョンのキャラクター。飛行機も恐いし、女房に愚痴も出るごく普通の男が予想外に、ここという大一番でジョークを飛ばしながら捨て身の大活躍をするところが痛快である。ここでもう死ぬかも知れないという時になって初めて妻に自分のわがままさを詫びたいと真剣に思うあたりが結構頑固で、どちらかと言うとアメリカ人にしては珍しい亭主関白タイプであろうと想像できて共感を覚えてしまう。仕事に対する自信と情熱は誰よりも強い反面、どこか不器用で人間的で憎めない。プロのスポーツ選手で例えれば、素晴らしい技術で他を圧倒するのではなくて、負けそうに思わせながらも打たれずよくて最後には強靭な精神力で勝利を手にするといったタイプであろうか。やはりジョン・マクレーンは普通の男から見て普通で終わるはずはないのである。 |
| この映画の英語について |
| 封鎖された高層ビルの中での手に汗握るスリリングな状況下で、ジョンがタイミングよく繰り出す軽妙なジョークが面白い。彼がCB無線で緊急連絡センターに事件の通報をするが、いたずら扱いされ歯ぎしりしながら、"No
fuckin' shit, lady! Do I sound like I'm ordering a pizza?" （ふざけるな、おねえさん！ これがピザの出前に聞こえるのか？）という場面や、一味に追いつめられて排気ダクトの中を這って進むときに、"Now
I know what a TV dinner feels like."（テレビ・ディナーの気持ちがよく分かるよ）という場面などは笑える。 また Stevie Wonder, A. Schwarzenegger, Gary Cooper, Roy Rogers といった有名人を引き合いに出したいかにもアメリカ的なジョークと、対照的にそういう感覚ををやや蔑む欧州人のハンスとのやりとりも、西部劇的な価値観 VS 欧州人の大人の文化といった対比で聞いてみると興味深い。ハンスがCB無線でジョンと交信する場面で、"Just another American who saw too many movies as a child? Another orphan of a bankrupt culture who thinks he's John Wayne?" （君は子供の頃映画ばかり見ていたアメリカ人かね？自分をジョン・ウェインだと思いこんでいる崩壊文化の落とし子か？）と言うセリフによく表現されている。またジョンの会話の中には頻繁に卑語・俗語が使われる。いわゆる４文字言葉以外にも、 asshole, scumbag, son-of-a-bitch, dickhead, prick, nut, jerk off, wax, などなど・・・少々、品のない言葉であっても、自分で使うことは避けた方がいいが、聞いて意味が分かるようにはしておきたい。 テロリストの配役は実際の欧州出身者が多く映画の中でも仲間同士ではドイツ語、イタリア語なども話されている。また彼らの話す英語もそれぞれの訛りが出て標準米語との違いが判別できる。ハンス役のリックマンは英国出身であり、そのゆっくりした、単語を区切る話し方のイギリス英語は、米語入門者にはむしろ聞きやすいかもしれない。なおハンスが裸足のジョンと35階の機械室で鉢合わせするというワン・シーンだけは、彼がとっさにアメリカ人を装うために米語を使うのだが、そのアクセントの使い分けに注意してみるのも面白い。 そしてほろりとさせられるのは、ジョンがもう助からないと思われた窮地でパウエルと交信する場面だ。"She's heard me say 'I love you' a thousand times. She never heard me say 'I'm sorry'. And I want you to tell her that ...he was sorry." （彼女は俺の「愛してる」という言葉は何度となく聞いてるが、「悪かった」という言葉は聞いたことがないんだ。俺が謝ってたと伝えて欲しい）無骨でどこか不器用なジョンの暖かい人間味がにじみ出る印象深い言葉ではなかろうか。 |
| 評価項目 | 易しい → 難しい | ||||
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| ・会話スピード |
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| ・発音の明瞭さ |
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| ・アメリカ訛 |
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| ・外国訛 |
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| ・語彙 |
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| ・専門用語 |
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| ・ジョーク |
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| ・スラング |
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| ・文法 |
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| 合 計 | 16点 |