■この映画のストーリー
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「こんな脚本は今までに読んだことがなかった」 いい映画の第一条件にいい脚本があげられる。監督のジェリー・ザッカーをしてここまで驚かせた脚本を書いたのはブルース・ジョエル・ルービン。彼はこの映画で第63回のアカデミー賞でオリジナル脚本賞に輝いている。そして映画は記録的な大ヒットを飛ばした。
サムとモリーは恋人同士。同棲を開始して間もないある夜観劇に出かけた。その帰り道、連れ添って歩く二人を突然強盗が襲った。一瞬の出来事だった。サムは胸を撃たれて即死、モリーはサムにとりすがって泣き叫ぶ。しかし、サムを抱きしめて泣くモリーの横に二人の様子を見つめる人物がいた。もうひとりのサムである。
サムはゴーストとなってこの世に残った。サムは愛するモリーのそばを片時も離れられない。悲しみにうちひしがれるモリーの姿に胸を痛めるサムだったが、無力な彼にはどうすることもできない。
ある日、サムを撃った犯人がモリーのアパートに侵入した。何かを物色しているらしい。不審に思ったサムは犯人を尾行する。犯人は自分のアパートに帰ると電話でブツが見つからなかったことを伝える。相手の電話の主はなんとサムの同僚だった。
サムは行きずりに殺されたわけではなかった。計画的に殺されたのだ。それも親友と思っていた同僚に。サムは事実を知って愕然とする。なぜ殺されたのか、同僚の目的は何なのか…しかし悩んでいる暇はない。危険がモリーの身に忍び寄っている。何とかしてモリーを助けなくては。しかしどうやればいいのだ。現世との接点を失ったサムには問題を解決する手段がない。
ロマンス、サスペンス、コメディが一体となってストーリーが展開される見応えのある映画である。サムが現世との唯一の接点となる霊媒師を演じるウーピー・ゴールドバーグは傑作。彼女のどのシーンを取り上げても笑える。その圧倒的な存在感でウーピーはアカデミー賞助演女優賞を受賞した。その他、本作品は作品賞、編集賞、作曲賞でもアカデミー賞にノミネートされた。
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■この映画の英語について
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全体的に非常に平易な英語で学校英語の延長線上にあると言える。ストーリーも面白く英語を学習するにはこの映画は格好の素材であろう。霊媒師を演じるウーピー・ゴールドバーグが泥くさい英語を話すが、しかし何と言ってもこの映画にインパクトを与えているのはウーピーである。
I'm getting there fast. (超特急で気が触れつつあるわ) You do have an attitude.
(生意気な男ね) Molly, you're in danger, girl. (モリー、命が危ないんですって) I ain't
no damn secretary! (私は秘書じゃない!) Have a nice death. (いい死後をね) 分脈から外して上記のように取り上げると、何の変哲もない会話に感じてしまう。しかし故人に対してまったく敬意を払わず言いたいことをズケズケと言う彼女の会話は彼女の演技力にも引き立てられて大変楽しい。時折、非文法的な表現が混じるが気にしないで彼女の台詞を味わって欲しい。楽しい会話はこの他にもまだまだ沢山ある。
その他、覚えていたい会話的な表現が目白押し。Give it time.(時間を与えろ → ゆっくりやれ)、I'd give anything
if I could just touch you once more.(君に触れられるなら何でも差し出すのに → 何でもするのに
→ 君に触れたくてたまらない)、If you think I'd come all the way down here for
my health, you're outta your mind.(健康の為にわざわざここまで来たと思ってるなら大間違いよ →
大切な用事があるからこんな所まで来たの)、You wanna step on it, please?(踏み込んで下さらない →
急いで下さらない?)。これらは直訳からでは意味がなかなかつかみにくい。常に分脈の中で意味を捕らえる癖をつけておくと英語の核となる部分が見えてくる。もちろんこのことは他の英語にも当てはまる。
また、gonna / wanna / gotta / outta / oughta などアメリカ英語には欠かせない省エネ発音も相当数登場する。じくりと耳を傾けて英語だけで意味が取れるようになって欲しい。 |
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■目次
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1. |
ロフト |
The Loft |
……………… |
7 |
2. |
ウィリーロペス |
Willy Lopez |
……………… |
20 |
3. |
地下鉄の出来事 |
A Subway Surprise |
……………… |
28 |
4. |
オダ・メイ |
A Spiritual Connection |
……………… |
38 |
5. |
右に同じ |
Ditto |
……………… |
47 |
6. |
念力 |
Emotional Power |
……………… |
60 |
7. |
リタ・ミラー |
Rita Miller |
……………… |
73 |
8. |
復讐 |
Revenge |
……………… |
90 |
9. |
好運のペニー |
The Good-Luck Penny |
……………… |
98 |
10. |
最後のチャンス |
Last Chance |
……………… |
105 |
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■コラム
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パトリック・スウェイジ |
……………… |
59 |
デミ・ムーア |
……………… |
89 |
ウーピー・ゴールドバーグ |
……………… |
97 |
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■リスニング難易度
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評価項目
| 易しい(1) → 難しい(5)
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・会話スピード
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・発音の明瞭さ
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・アメリカ訛
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・外国訛
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・語彙
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・専門用語
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・ジョーク
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・スラング
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・文法
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合 計 |
17点 |
( 16以下 = Beginner, 17-24 = Intermediate, 25-34 =
Advanced, 35以上 = Professional )
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