JULIA
ジュリア
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| 書 名 | スクリーンプレイ 「ジュリア」 |
製 作 | 1997年 | |||
| 編 集 | 山田 均 | 会 社 | Twentieth Century Fox | |||
| 仕 様 | A5版、96ページ | 監 督 | Fred Zinnemann | |||
| 発行日 | 1993年5月 | 脚 本 | Alvin Sargent | |||
| 出版社 | 株式会社スクリーンプレイ | 出 演 |
Jane Fonda | |||
| 定 価 | 本体1,200円（税別） | Vanessa Redgrave | ||||
| ISBN | 4-89407-074-X | Jason Robards | ||||
| この映画のストーリー |
| ジュリアはリリアンにとって精神形成の上で大きな影響を与えてくれた幼友達だ。上流家庭に生まれ少女の頃から文学や語学に親しんだジュリアはオックスフォード大学で学んだ後ウィーンに行き、そこで反ナチの地下運動に加わる。一方、リリアンは、恋人であり大先輩作家であるダシェルと同棲し、劇作家として身を立てようと執筆に励んでいた。 ダシェルの助言により暫くパリで仕事をする事にしたリリアンは滞在中にウィーンから「ジュリアが騒乱に巻き込まれ重傷」との知らせを受ける。時は第二次世界大戦直前、ヨーロッパ中にファシズムの脅威が拡大していく情勢下であった。病院に駆けつけると口も聞けないジュリアが包帯姿で横たわっていた。しかし彼女はジュリアに「急いでパリに戻れ」と伝言を残し、病院から姿を消してしまう。 その後リリアンは処女作の戯曲が大ヒットし一躍、有名作家になった。ロシアからの招きでモスクワへ行く途中でパリに滞在していたリリアンはジュリアの同志と名乗る男から、5 万ドルの活動資金をベルリンに運ぶという任務を依頼される。友情に応えようと決心したリリアンは命の危険をかえりみずこの仕事を引き受け、ベルリンにいるジュリアに無事お金を届けるという重責を果たした。だが久しぶりにかなったジュリアとの再会ではリリアンは悲しい涙を流す。彼女は片足義足で歩くのもままならない痛ましい姿だったのだ。そしてリリアンは彼女の幼い女の子をアメリカで育てて欲しいとジュリアから頼まれる・・・ アメリカの女流劇作家、リリアン・ヘルマンが1973年に発表した回想記 "Pentimento"（ペンティメント）の中のエピソード "Julia" の映画化（1977年）である。ヘルマンは人間の尊厳を貴ぶ姿勢のきわめて強い創作志向を持っていた。この映画でも自立した女同士の友情とファシズムに対する抵抗心をテーマに人間性の尊さを唱い上げている。幼い頃からかけがえのない心の友であったジュリアへの献身のため、ユダヤ人の身で、ナチスの目の光る国境を越え闘争資金を運ぶ危険な任務を引き受けるという選択は、ヘルマン自身がのちに50年代のマッカーシイズム（赤狩り）のさなか、自らの人生への不利を覚悟の上で非米活動委員会の弾圧に抵抗し、「他人の名前を出すなどという非人間的なことは出来ない」と断固証言を拒否したという事実とも同質の、まさに人間として生きる信念の証であると言えよう。肉親や夫婦の間の愛情とはまた別の、より普遍的な人間対人間の真実の心の通い合いが観る者に感動を与えずにはおかない。 |
| この映画の英語について |
| リリアンとジュリアの少女時代の回想シーンと、ハメットとの海辺での暮らしを除くとほとんどヨーロッパが舞台なだけに、シナリオにもフランス語、ドイツ語がかなり登場する。パリのホテルマン、列車の車掌、客室の乗客はフランス語、ウィーンの病院、ドイツ国境のナチ兵士らはドイツ語を話し、彼らの英語もそれぞれの特徴が出て面白い。5
万ドルの託送を依頼する渋い役のヨハンの英語もドイツ訛りだが、ゆったりとした口調で聞き易い。時折見られる文法上の誤りなど気にせずに、ヨーロッパ人の話す英語にも慣れておきたいものである。全体的に比較的ストレートで平易な会話が多く取り組み易い。 リリアンとハメットは標準米語であるが俗語表現やジョークなどは少なく、やや早口なことを除けばごく一般的な会話であると言える。日頃は口の悪いハメットが、リリアンが苦心の末書き上げた"The Children's Hour"を読んで褒める時の"It's the best play anyone's written in a long time. I'm positive."（これは最近にない最高の戯曲だ。確信が持てる。）は実に力強い励ましの言葉である。 ジュリアは（ヤングジュリアも）イギリス英語のアクセントが強い。ちなみにバネッサ・レッドグレーブは英国育ちで、父親は名優のサー・マイケル・レッドグレーブである。ジュリアは少女の頃にカイロに行った時の話をリリアンに聞かせる。"Look at those people, they're hungry, they're sick, why don't we do something?"（あの人達を見て、飢えた人、病気の人、どうして私達は何もしてあげないの？）と傍らの祖父に聞くが彼は"Don't look at them. I didn't make them sick."（見るな、私が彼らを病気にしたんじゃない）と答える。最後は反ナチ運動で殺された彼女の博愛精神は、祖父母への反感と一体にこの頃すでに形作られていたのだ。 ナチに虐殺されたジュリアの遺骨を胸に彼女の生家を訪ねたリリアンは、祖父母から黙殺された。"Julia has been murdered! It is not to be referred to as 'information' !"（ジュリアは殺されたのよ！ それを「伝言」しておくだなんて！）と声を荒立てる場面などは本領の迫力である。ジュリアが好きだと言っていたリリアンの「怒り」と、言葉に尽くせないジュリアへの心情がほとばしり出る表現である。フォンダ、レッドグレーブはともに実生活においても反戦・反体制運動家として政治行動を体験していたことからも最高のキャスティングと言えるこの映画から、自立した女性の生きる情熱が溢れる会話の数々を存分に吸収してみよう。 |
| 評価項目 | 易しい → 難しい | ||||
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| ・会話スピード |
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| ・発音の明瞭さ |
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| ・アメリカ訛 |
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| ・外国訛 |
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| ・語彙 |
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| ・専門用語 |
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| ・ジョーク |
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| ・スラング |
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| ・文法 |
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| 合 計 | 15点 |