RAIN MAN
レインマン
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| 書 名 | スクリーンプレイ 「レインマン」 |
製 作 | 1988年 | |||
| 編 集 | 山田 均 | 会 社 | United Artists Pictures, Inc | |||
| 仕 様 | A5版、140ページ | 監 督 | Barry Levinson | |||
| 発行日 | 1991年4月 | 脚 本 | Ronald Bass,Barry Morrow | |||
| 出版社 | 株式会社スクリーンプレイ | 出 演 |
Dustin Hoffman | |||
| 定 価 | 本体1,200円（税別） | Tom Cruise | ||||
| ISBN | 4-89407-041-3 | Valeria Golino | ||||
| この映画のストーリー |
| チャーリーは高校生のとき父親と喧嘩して家出し、今は L.A.で自動車の販売代理業を自営している。イタリア娘のスザンナを恋人にし彼女の手を借りランボルギーニの注文を取ったものの、環境局の排ガス規制がパスせず契約破棄寸前で資金繰りもピンチだ。そんなある週末、長年絶交中の父が急逝したとの訃報が届いた。葬儀のあと弁護士から聞かされた遺言の内容は、300万ドルの遺産はこれまでその存在を知らされていなかった自分の実兄レイモンドが相続するというものだった。兄は自閉症のため40年の間入院していたのだ。父の遺言に憤慨したチャーリーは病院から兄を連れ出し、遺産の管財人であるブルーナー医師に半分の150万ドルを要求するが拒絶される。 ビジネスのトラブル解決を迫られるチャーリーはレイを連れて L.A.に帰ろうとするが、空港で飛行機が怖いとレイに騒がれ止むなく遠路を車で旅することになった。レイはその異常な行動と性癖で弟の神経をまいらせるが、一方で驚くべき記憶力と数字の才能を持っていた。そしてモーテルに泊まった時レイが持っていた20数年前の二人一緒のボロボロの写真を見て、チャーリーは自分の幼な心に架空の友達として記憶されていた「レインマン」は兄レイモンドのことだったと知りこれまでに感じたことのない心の安らぎを覚える。忘れていた兄弟の絆で結ばれた二人は途中ラスベガスに寄ってレイの超人的記憶力によりカジノで8万6千ドルを稼いだ。レイモンドとチャーリーが兄弟として生きて行く道は… アメリカ人は慈善事業やボランティア活動など、報酬を求めない仕事に非常な情熱を傾ける部分があるかと思うと、同一人物がビジネスの上ではドライで貪欲な金銭執着心を示したりすることに日本人はどうにも戸惑うことがある。この映画のチャーリーのように、その調子のいい商売の手口と降って湧いた遺産金への執着の一方で、やがては優しい心根から献身的な兄弟愛を芽生えさせていくというキャラクターはなぜかそういうことと重なって見えてくるのである。1980年代後半のアメリカ映画においては "Twins" "Driving Miss Daisy" などこの映画の他にも人間の心と心の絆を描く作品群が一つの流れになった時期であった。人種差別、病気、麻薬、失業など様々な苦しみと矛盾と問題を抱えたアメリカ社会の中で一人一人の人間が一番大切にしなければならないものは何かを問いかける映画はこれからも尽きることなく作られ続けていくであろう。そしてアメリカが背負い込んだそれらの矛盾と問いかけは、どの世界の人間であれその本質的な価値を共有できる精神の上に成り立った問題でもある。 |
| この映画の英語について |
| 会話はチャーリーとレイモンドの旅道中でのやりとりがほとんどで、二人のせりふは量が多くスピードの早い部分も多い。チャーリーは典型的なアメリカン・ビジネスマン・タイプといえる積極的かつ臨機応変な話し方である。自閉症のレイに振り回された苛立ちから発する皮肉や自嘲気味のせりふ、俗語・卑語なども比較的多いが、標準米語で発音も明瞭なだけに学べる会話表現は豊富である。一方、天才的な能力に恵まれながら自己の世界に閉じ込もってしまう孤独なレイモンドは、'course
/ definitely / uh-oh! など routines（決まった行動）を守るための口癖と、いつも欠かさず見るTV番組などの同じせりふの繰り返し、さらに吃音も混じり、標準的な話し方とは言い難いが、頻繁に口走る年月日や過去の記録の数字に注意して聞き取りに挑戦してみたい。 専門的な言葉としては、autistic savant（自閉症） / disability that impairs the sensory input and how it's processed（感覚情報を取り入れることとその処理過程に支障をきたす障害）といった類の医学用語、あるいは trust fund for a beneficiary to be named in this document（この書類に明記された受益者の所有になる信託基金） / trustee（管財人）などの経済・法律用語などが使われている。 スザンナ役はのゴリノはイタリア人特有のアクセントがあるものの若さに似合わぬ落ち着いた語り口で聞き取り易い。ちなみに彼女はこの映画がハリウッドでのデビュー作だが、伊・英・仏・ギリシャ語をこなす語学堪能な国際派女優である。スーザンの優しさが我の強いチャーリーを戒める言葉、 "They tell you today for the first time that you have a brother, and you...I don't see in your face one little reaction!"（初めて今日お兄さんがいるって聞かされたのに・・・あなたの表情には何の反応もないのね）、あるいは "Your crime is that you use people!"（あなたの罪は人を利用することよ！）などが印象に残る。 終始、無表情のレイモンドが二度だけ笑顔を見せる。ジョークで兄弟の気持ちがほのぼのと通じ合ったシーンだ。一緒にホットケーキを食べた場面、 "Charlie Babbitt made a joke."（チャーリーがおどけた） "I made a joke, Ray."（そうなんだよ、レイ）と、最後に駅で別れる時にチャーリーがレイのジョーク "K-Mart sucks."（Kマートは最低だ）のことを指して "You made a joke, Ray"と一緒に笑う場面である。登場人物の気持ちに共感を覚えてこそその言葉はより一層深く印象づけられるものである。チャーリーがレイに自分の気持ちを涙を浮かべて伝える場面は何とも言えず素晴らしい…… "Ray, I just want you to know that what I said about being on the road with you I meant, and...connecting. I like having you for my brother.（レイ、俺はあんたと一緒に旅をして本当に心が通じ合った…それを分かってくれ。兄貴が出来て嬉しいよ。） |
| 評価項目 | 易しい → 難しい | ||||
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| ・会話スピード |
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| ・発音の明瞭さ |
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| ・アメリカ訛 |
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| ・外国訛 |
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| ・語彙 |
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| ・専門用語 |
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| ・ジョーク |
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| ・スラング |
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| ・文法 |
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| 合 計 | 24点 |