THE WAR OF THE ROSES
ローズ家の戦争
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| 書 名 | スクリーンプレイ 「ローズ家の戦争」 |
製 作 | 1989年 | |||
| 編 集 | 山田 均 | 会 社 | Twentieth Century Fox | |||
| 仕 様 | A5版、108ページ | 監 督 | Danny DeVito | |||
| 発行日 | 1993年3月 | 脚 本 | Michael Leeson | |||
| 出版社 | 株式会社スクリーンプレイ | 出 演 |
Michael Douglas | |||
| 定 価 | 本体1,200円（税別） | Kathleen Turner | ||||
| ISBN | 4-89407-072-3 | Danny DeVito | ||||
| この映画のストーリー |
| オリバーはハーバード大のエリート法学生、バーバラは体操専攻の美人学生。二人はナンタケット島の古美術品オークション会上で知り合い、熱い恋愛の末、結婚した。まもなく二人の子供が生まれ、オリバーは法律事務所の重役になり出世街道をあゆんでいた。やがてバーバラがかねてから目をつけていた豪邸を手に入れ、高級な調度品や陶器なども買い揃え、理想のマイホームを作り上げた。 何不自由のない暮らしの中で年月を経て、育児にも手がかからなくなったバーバラは次なる生き甲斐として個人で料理のビジネスを始める。相変わらず仕事一途の夫に対する気持ちに変化が現れるのはちょうどこの頃だった。オリバーはある日バーバラに胴を力任せに足締めにされ、その翌日、大切な商談中に内蔵異変を起こし病院にかつぎ込まれる。そして信じられなかったのはバーバラが病院に見舞いにも来なかった事だ。 その夜、それを問い正すオリバーにバーバラは離婚したいと打ち明けた。理由を求める彼にバーバラはあなたの顔を見てると殴りたくなるの・・・と。こうして双方が弁護士をたてて離婚争議が始まる。バーバラの要求は子供の養育費用と家、家財道具一式だ。オリバーは意地になり家は絶対に渡さないと抵抗する。友人のギャビンに相談し家に居座ることに決め込むが、二人の争いは想像を絶する全面戦争に突入して行った。 「ローズ家の戦争」は、離婚問題を真摯に取り上げながら、それをどぎついジョークで味付けした異色のコメディである。エリート弁護士である夫は出世を目指す余り妻を軽く見過ぎてしまい、心の離れた妻への愛情に気づいたときにはもう時すでに遅しという物語。日常の暮らしの中で無意識のうちに妻へ一種のコンプレックスと疎外感を抱かせていたのだ。かといって夫は人間的に標準以下では決してない。はた目には幸せそうな生活でも、夫への愛をなくしたとなればかくも果敢に現状を打破し次への行動に移る女性は、たとえアメリカでもそう多くはないだろう。しかし笑いの裏には結婚生活を経験する者をハッとさせずにはおかない示唆を含む映画である。弁護士ギャビンの「一人の相手と生涯連れ添うこと自体が不自然なのかもしれません。」という言葉が究極の真理だとすると、やはり結婚は古今東西を問わず実に難問に満ちた人の営みだと言わざるを得ない。 |
| この映画の英語について |
| 全編が弁護士ギャビンの回想の形で構成されており、彼のナレーションおよび回想シーンでの言葉が夫婦の愛憎が何であるかを実に客観的に捕らえている。妻の心が離れていく兆候が出た事については
"If you're with a woman for any length of time, eventually you'll ask
her that question: What the hell is wrong with you? If she doesn't answer,
that's trouble."（一定の期間一緒に暮らした女に、いったい何が不満なんだ？ という質問をして、もし返事がなかったらこれは問題です）と言う。そして二人の離婚戦争が始まった時には
"Man could never outdo a woman when it came to love or revenge." （こと恋愛や復讐にかけては男は女に絶対に勝てないよ）とオリバーに諦める方が賢明だと助言する。さらにラストでは
"Or you can get up...and and go home...and try to find some shred of what
you once loved about the sweetheart of your youth." （あるいは今すぐ家に帰り、あなたが若き日に愛した彼女のいいところを一欠片でいいから捜してみる事です）と締めくくる。含蓄の深さをじっくり味わいたい言葉である。 また夫婦の会話の中にはブラックユーモアを含んだ異色の表現が随所に見られる。 （例）OLIVER: You were happy because I was dead?（僕が死んだから嬉しいだって？）BARBARA: When I look at you lately ... I just wanna smash your face in.（最近では顔を見てるだけでも……殴りたくなってくるの）We can be happy ... just not together.（私達、幸せになれるわよ……一緒じゃなければ）などなど…女が恐ろしく思えてくる台詞の数々である。しかしこのような一部の印象的な部分を除けば、家族でクリスマスを過ごしたり来客を招いてディナー・パーティをするなど、一般的な家庭生活の中で使われる会話を中心に構成されており日常で役に立つ会話表現が多く学べる。 主なキャストは標準英語。会話スピードも普通で比較的理解し易い。オリバーも離婚戦争が始まる前はエリート弁護士らしい知性的な話し方である。また病院では vital sign / C.I.C.U. / angina / heart attack などの医療用語が出る。家政婦のスーザンはドイツ語訛りを含むぎこちない感じの話し方。同じ単語を発音してもアメリカ英語との母音の相違がはっきりして面白い。 離婚戦争についてのギャビンの名言を最後にもう一つ。 "Oliver, there's no winning in this. It's only degrees of losing."（オリバー、この争いに勝ちはない、どの程度負けるかということなんだ） |
| 評価項目 | 易しい → 難しい | ||||
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| ・会話スピード |
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| ・発音の明瞭さ |
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| ・アメリカ訛 |
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| ・外国訛 |
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| ・語彙 |
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| ・専門用語 |
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| ・ジョーク |
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| ・スラング |
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| ・文法 |
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| 合 計 | 16点 |