X-ファイル ザ・ムービー
THE X-FILES


英文構成 株式会社スクリーンプレイ編集部
編集 池下裕次/二村優子/BETH POLLARD
A5判 151頁、ISBN4-89407-224-6
本体価格=1,200円(税別)
1999年(平成11年)8月10日 初版発行


テレビシリーズでお馴染みのモルダーとスカリーが、地球外生命体の謎に、また一歩近づく!英語は、X-ファイル特有のSF系の専門用語が少し気になる程度。

書 籍 紹 介
 
映 画 紹 介
書 名 スクリーンプレイ
「THE X-FILES
X-ファイル ザ・ムービー」
製 作 1998年
編 集 池下 裕次、二村 優子
BETH POLLARD
会 社 20TH CENTURY FOX
仕 様 A5版、151ページ 監 督 ROB BOWMAN
発行日 1999年8月10日 脚 本 CHRIS CARTER
出版社 株式会社 スクリーンプレイ 出 演
DAVID DUCHOVNY
定 価 本体1,200円(税別) GILLIAN ANDERSON
ISBN 4-89407-224-6 MARTIN LANDAU

 

■この映画のストーリー

 テキサス北部で、穴に落ちた少年が生き物のような黒い液体に体をおおわれ、死亡する。少年の救助に向かった救急隊員も帰ってこなかった。そこに現れた謎の一団は穴の周囲を瞬く間に囲んでしまう。
 1週間後、ダラスでビルを爆破する予告電話があり、モルダーとスカリーをはじめ、FBI捜査官たちが爆弾探しの捜査にあたる。モルダーとスカリーは予告とは違うビルで単独で捜査を続け、爆弾を発見するが、爆破処理にあたった FBI 特別捜査官主任のミショーは何の手も下さず、ビルを爆破させてしまう。FBIはビルにいたモルダーとスカリーに事件の責任追及をはじめ、聴聞会を開く。モルダーとスカリーはそこで、誰も残っていなかったはずのビルから、数人が死体で発見されたことを聞き、この事件に疑問を抱く。
 責任を問われたスカリーが FBI を辞めようとしていることを聞いたモルダーだが、為す術がなく、バーで酒をあおっていると、1人の男が現れる。カーツウェルというその老人は、爆破されたビルで発見された死体はテキサスで既に死んだはずの少年と救急隊員のものであったことをモルダーに告白。ダラスでの爆破事件の目的は、彼らの死体を隠ぺいするためで、組織的な力がかかっているというのだ。父親の同僚だったというこの男に不信感を抱くモルダーであったが、真相を求め、スカリーと共に彼らの死因を探る。そして、彼らの死体を目の前にした2人に衝撃が走る。ゼリー状になっているその体は、解剖された後もなく、発表された事実とはまるで異なった状態にあったのだった。
 隠された真実を追い、2人はテキサスへ向かうが、少年が落ちた穴はすでに埋められていた。少年の友人に、穴を埋めた一行が向かった先を聞いた2人は、トウモロコシ畑に浮かぶ巨大なドームを発見する。そこで2人はハチの大群と黒いヘリコプターに追われるが、間一髪で逃げ、ワシントンに戻る。
 ワシントンに戻ったスカリーを持っていたのは転属命令だった。辞表まで出したスカリーをなんとか引き留めようとするモルダー。感情の高まる2人は抱き合うが、突然スカリーが倒れてしまう。モルダーは救急車を呼ぶが、現れたのは偽の救急隊員。モルダーは銃で撃たれ、スカリーは誘拐されてしまうのだった。
 意識を取り戻したモルダーは、スカリーを探すため、病院を抜け出す。そこに現れた FEMA のウェル・マニキュアード・マンは、モルダーにスカリーの行方を教え、彼女を救うワクチンを渡し、隠された真実まで明らかにする。
 ウェル・マニキュアード・マンから託された情報を元にスカリーを助けに行くモルダー。舞台は南極大陸へと移り、クライマックスを迎える。
 アメリカの大人気テレビ・シリーズの映画版。X-ファイルを初めて見る人にも分かるように作られているのだが、テレビ・シリーズの第5シーズンと第6シーズンを結ぶストーリーにもなっており、シリーズのこれまでの謎も明らかになるということで、ファン必見の作品となった。  アメリカで『X-ファイル』のテレビ・シリーズが始まったのは、1993年3月。瞬く間に高視聴率番組となり、95年と97年には、ゴールデン・グローブ賞の最優秀ドラマ賞を受賞している。X-ファイルとは、FBI内に保管されている科学では説明できない不思議な事件の書類。この事件を調査する部署がX-ファイル課で、FBI捜査官のフォックス・モルダーとダナ・スカリーが事件の真相を究明していくというのが基本的な話なのだが、2人には怪事件を1話ずつ解決することだけではなく、「影の政府」による陰謀を解明するという大きな目的がある。妹を異星人に誘拐されたモルダーは、スプーキー(変人)とよばれながらも彼女の行方を追い、真実を明らかにすることを大きな目的としている。当初、モルダーを監視し、その行動を抑制するためにX-ファイル課に配属されたスカリーは、科学的立場で事件解明しようとしたため、モルダーと対立することが多かったのだが、数々の事件を経て、次第にモルダーに欠かせないパートナーとなるのだった。
 フォックス・モルダーを演じるのはデイビッド・ドゥカブニー。彼は1960年ニューヨークに生まれ、CM出演をきっかけに、映画に出演した後、このモルダー役に抜擢される。『X-ファイル』シリーズでは、俳優業にとどまらず脚本も数本書いており、その才能を発揮している。「モルダー」のキャラクターだけに縛られることを嫌うドゥカブニーは、『ベートーベン』(92)、『チャーリー』(92)など、数多くの映画にも出演。『不法執刀』(97)では主役を演じた。彼の仕事や私生活について詳しく書かれた メThe Duchovny Files: The Truth is in Hereモ という本がアメリカで出版されるほどの人気ぶりである。  ダナ・スカリーを演じるのはジリアン・アンダーソン。1968年にイリノイに生まれた彼女は、大学で博士号を取得した後、舞台などに立ち、高い評価を得る。『ターニング』(92)で映画デビューし、『X-ファイル』のオーディションを受け、大役を獲得した。シリーズの合間に、いくつか他の映画にも出ており、その活躍には目を見張るものがある。『マイ・フレンド・メモリー』(98)では、脇役とはいえ、ジュリアン・ムーアらと共演をし、英語版『もののけ姫』(99)では、モロ(犬神)の声を吹き替えしている。
 この映画の監督は『X-ファイル』テレビ・シリーズのうち24話を監督したロブ・ボーマン、脚本は、テレビ・シリーズのエグゼクティブ・プロデューサーも務めるクリス・カーター。テレビ・シリーズも映画を撮るような感覚で作っていたというロブ・ボーマンは、この映画版ではテレビという枠の限界を超え、さらに大きなスケールで作品を作った。特に南極でのシーンは圧巻である。  この映画に続く、テレビ・シリーズもすでに放映され、劇場版の第2弾が作られることも決まっており、これからの新たな『X-ファイル』の展開が期待されている。
編集部

■この映画の英語について

 『X-ファイル』は、宇宙人、UFO、政府の陰謀・・・といった話になるので、使われている英語も普段耳にしないものが多いのだが、いかにも「X-ファイル」的な単語は、知っていると全体も分かり易くなるので、覚えておくといいだろう。
 例えば、little green man(「緑の小人」宇宙人のこと)、extraterrestrials(「地球外生命体」略して、E.T.)、abduct(「アブダクト」宇宙人にさらわれること)、clone(「クローン」)、transgenic crop(「遺伝子組み替え作物」)などなど、非日常的だが、宇宙人といえば・・・という単語ばかり。あまり役に立ちそうもないが、X-ファイルの世界にとけ込むためには重要な単語だ。
 この映画の会話でやはり注目したいのは、モルダーとスカリーの息のあった会話だ。いいパートナー関係を築いているだけにとても自然で、独特な空気が流れている。例えば、"I had you."(ひっかかった)というセリフは、まずビルの屋上でスカリーがモルダーを騙してからかうシーンで使っているのだが、ラストの緊迫したシーンで再びスカリーが使っており、重くなっている気持ちを上手く和らげている。また、楽観的なモルダーは、勘に頼った発言をするのだが、その度に現実的なスカリーに上手くかわされており、2人の対極的な性格がセリフに表れていて面白い。ビルで爆弾探しをする時は、"Whatever happened to playing a hunch, Scully."(直感に頼ることも忘れちゃいけない)というモルダーに対し、"You've gotta quit looking for what isnユt there."(存在しないものを追いかけるのは、もうやめたら)というスカリーのセリフ。こうして意見が合わないことも多いのだが、モルダーの危険な行動はスカリーによって上手くセーブされており、それが分かっているモルダーは彼女を欠かせないパートナーとして認めているのだ。2人が熱く抱き合うシーンで、モルダーがスカリーに "You saved me!"(僕を救ったのは君だ!)"You made me a whole person."(君のおかげでまともになれた)と言っていることからもよく分かるだろう。
 モルダーとスカリーの戦いはこれからも続いていくのだが、それを象徴するセリフがある。スカリーが辞めようとしているシーンでモルダーが言う "If I quit now, they win."(今辞めたら、彼らの勝ちだ)というセリフだ。ラストではスカリーがモルダーに同じセリフを言っており、何度も真実に近づいてはまたゼロに引き戻され、それでも負けずに闘おうとする2人の強い意志がそこに表れている。これこそ、映画のサブ・タイトルとなった "Fight the Future"「未来と闘え」である。
編集部

■目次

1. Black Oil ブラックオイル ……………… 8
2. The Bomb 爆弾 ……………… 24
3. Kurtzweil カーツウェル ……………… 42
4. The Morgue 死体安置所 ……………… 58
5. A Meeting 会議 ……………… 74
6. The Corn Field コーン畑 ……………… 88
7. An Emergency 緊急事態 ……………… 104
8. The Truth 真実 ……………… 118
9. Antarctica 南極大陸 ……………… 132
10. X-Files Re-Opened X-ファイル再開 ……………… 144

■コラム

FBI ……………… 22
映画の中の宇宙人 ……………… 40
ゲスト俳優 ……………… 56
劇場版&ビデオ版 ……………… 102
クローン ……………… 142

■リスニング難易度

評価項目 易しい(1) → 難しい(5)
・会話スピード
1 2 3 4 5
・発音の明瞭さ
1 2 3 4 5
・アメリカ訛
1 2 3 4 5
・外国訛
1 2 3 4 5
・語彙
1 2 3 4 5
・専門用語
1 2 3 4 5
・ジョーク
1 2 3 4 5
・スラング
1 2 3 4 5
・文法
1 2 3 4 5
合 計 19点

( 16以下 = Beginner, 17-24 = Intermediate, 25-34 = Advanced, 35以上 = Professional )